バンド編成で聴かせてくれた前作、前々作との違いはやはりそのミニマムな編成。殆どの楽曲は、Luiz Mauro Filhoのピアノの伴奏と、程よく添えられる弦とギターのみと言う、まさしく彼女の歌声を輝かせるための最小編成のクラシカルなバッキングが彩りを添えます。前作、前々作同様に、プライヴェートも共に過ごす男性SSW、ホドリゴ・パナッソロがその才能を密かに発揮している点にも注目で、そのホドリゴとの共作「01. CASA」(ホーム)で聴かせる落ち着いた空気感のようなものが、本作のテーマなのでしょう。「03. TODA」、「09. E DO MAR」など、Giseleの自作曲は一様にクオリティが高いですが、Djavanの「02. NOBREZA」、Caetano Velosoの「06. SETE MIL VEZES」に、ビートルズの「11. THE FOOL ON THE HILL」などを取り上げて聴かせるカヴァー曲もセンスが良く、アルバムを通じて響く世界観は、まさに『Casa』。穏やかな幸せに満ち溢れた家庭のリヴィングやダイニング、寝室で心地よく鳴り続ける至高のBGMと言うべき作品です。